メンタルを鍛えるポジティブダイアリー

ポジティブダイアリーというものをご存知でしょうか?その名の通り、ポジティブなことを書く日記です。メンタルヘルスに問題を抱えている人に対して、心理カウンセラーがこのポジティブダイアリーを推奨することもあるように、ポジティブなマインドセットを持つのに効果的な方法だと言われています。この記事では、実際の日記の付け方と、ポジティブダイアリーの効果についてまとめてみました。

メンタルを鍛えるポジティブダイアリー

ポジティブダイアリーの書き方

ポジティブダイアリーの書き方はいたってシンプルです。その日に起こった、ポジティブなことを日記として書きます。決して長い日記でなくても良いのです。重要なのは、どんな1日だったにしても、その日に起こったポジティブな側面にフォーカスするという思考パターンなのです。

ポジティブなこととは?

それでは、どんなことが「ポジティブなこと」に当てはまるのでしょう?もちろんポジティブの認識は人それぞれだと思いますが、一般的には以下のような要素があればポジティブな体験としてダイアリーに書き留める価値があります。

  • 楽しかったこと
  • 嬉しかったこと
  • 美味しかったもの
  • 安心したこと
  • 素敵だと感じたもの
  • 綺麗だと思ったもの
  • 幸せだと思ったこと
  • 得したこと
  • 達成したこと
  • 感謝したこと

ポジティブな経験を3つ探す

どんな日でも一つくらいだったら、ポジティブな要素を見出すことができると思います。でも、もう少し頑張って最低3つ、その日に起こったポジティブな経験を見つけてみましょう。どんな小さなことでも良いのです。微かな興奮を胸の中に沸き起こさせる経験を、3つ紙に箇条書きで書き出してみるのです。

忙しくて毎日日記なんて書けない!という人は、本当に3つを箇条書きでリストアップするだけで十分です。疲れていたり、苛立っていたりするときに、一生懸命考えて3つのポジティブな経験を書き出すと、私は思わずくすりと自分で笑ってしまうようなリラクゼーションを感じます。

ポジティブな経験を深める

もう少し余裕があって長い日記が書けそうな人は、箇条書きでポジティブなことを書き出した後に、そのそれぞれについてもう少し詳細を書き足してみてください。いつか読み返したときに、そのポジティブな経験が蘇ってくるように表現できると良いですね。そうすれば、一度経験した幸せなことを、日記を書くときにもう一度体験し、さらにそれを読み返すときには再び想像の中で繰り返し体験することができるのです。

ポジティブダイアリーの効果

ネガティブな記憶の方が強い

なんとも残念なことですが、人はポジティブなことよりもネガティブな経験をよく記憶してしまう生き物だそうです。ネガティブな記憶というのは、原始的なには、危険な状況に陥ったときに身を守るために必要な情報です。でも天敵に襲われるような危険のない現代社会では、ポジティブな記憶にフォーカスした方がメンタルを上げることができますよね。

デフォルトでネガティブな記憶の方が強い私たちは、ポジティブなことにフォーカスする力を高めるために、トレーニングをしなければいけません。ポジティブダイアリはその訓練の一環というわけです。

なぜポジティブダイアリーは効果的なのか

人の脳は人生を通して常に変化し続けることが科学的に証明されています。もちろん、子供の脳は柔軟で新しい情報の吸収力も高いですし、幼少期の記憶が人の性格の形成に大きく影響もします。でも、いくつになっても新しい知識を学ぶことができるように、人の脳というのは大人になってからでも変化します。

ブレインプラスティシティ

ロンドンのブラックキャブのドライバーが、ロンドンの通りの名前を全て覚え、さらには最短である場所から目的地までたどり着く道のりを回答するという難しい試験をクリアして免許を得ているのをご存知でしょうか。繰り返しロンドン地図を頭の中で巡らせているうちに、海馬が発達していくと言います。よってキャブドライバーの脳を科学的に観察すると、物理的に変化が起こっているのが見えるのだそうです。

ポジティブさは脳の筋トレで手に入る

以前一緒にお仕事させていただいたオックスフォード大学の脳科学者の方が、ポジティブになるために脳に変化を起こすのは、筋トレのようなものだと言っていました。つまり、普段の思考パターンがネガティブな人は、無理やりポジティブな思考を繰り返すことで、脳に物理的な変化が起こり、ポジティブな思考が定着していくというのです。

もちろん筋トレと同じで、変化は一晩では起こりません。地道なトレーニングを重ねてこそ変化が得られるというのも、ジムで行う筋トレと同じですね。

スポーツ選手も使っている

先日、水泳のイギリス代表エリー・シモンズ選手の記事でも、ポジティブダイアリーと同じテクニックを使っていることが書いてありました。私がいいなと思ったのは、彼女は単に「ポジティブなこと」ではなく「感謝すること」を3つ挙げるようにしているということです。私はこの「be grateful」という言葉が好きなのですが、それはなんだか心の中にほんわか温かいものが広がるような感覚をもたらしてくれる単語だからかもしれません。

When I wake up and I know that I’m struggling, I always try and say to myself, write down three things that I’m grateful for each day; it could be something little like grinding some beans and enjoying a cup of coffee, it could be that the weather’s really nice, it could be a nice text I get or a nice comment – something so simple but really to take a step back into how you’re feeling and to be grateful

British Swimming : Ellie Simmonds talks mental heath awareness

それから、彼女のようにたくさんの金メダルを獲得し成功を納めているプロのスポーツ選手でも、朝起きて今日は気分が良くないという日があるということです。それを自分でなんとかして乗り越え、その日のトレーニングをこなせるような精神状態に持っていくツールを持っている、というのが、凡人との違いなのかなとも思いました。

ポジティブダイアリーを書いてみた

逆説的な日記の意義

そんなわけで、私もポジティブダイアリーを時々書いています。ポジティブダイアリーを書いて気づいたのは、この日記が非常に逆説的だということです。なぜかというと、通常日記はその日あった出来事を記録するのに使いますよね。これに従えば、良いことがあった日は良いことを記し、悪いことがあった日は悪いことを記すということになります。でもポジティブダイアリーは逆で、良いことがあった日に書いてもあまり意味がないのです。不幸せだと感じる日に書いてこそ意義があるのです。

最悪についてない日のポジティブダイアリー

全てがうまくいかない、最低な日というのが稀にあります。そんな1日を終えてと濃くつくとき、あなたは何を考えているでしょうか?私のポジティブダイアリーはこ唸りました。

ロンドンの電車が遅れて30分以上プラットフォームで待つ羽目になった。(ロンドンの電車はよく遅れますが、45分待ちは久しぶり・・・。)でも、幸運なことに電車が遅れたのは帰り道だったため、待ち合わせに遅れることもなかった。さらにプラットフォームはがらんとしていて、ベンチも空いていたので、コーヒーを買ってぼうっとしながらそよ風を楽しんだ。

英語では「シルバーライニング」と言いますが、不幸な境遇にこそそこに刺す光明を見ようという態度が大切ですよね。同じ論調でももう一つシェアしておきましょう。

なんだかとても気怠く、倦怠感で何もする気が起こらない日。お腹が空いたのでなんとかソファから起き上がって近くのスーパーに行って、安いレトルトのボロネーゼを買った。レンジでチンして食べてみると、予想以上に美味しくて驚いた。

私は結構シニカルなユーモアを好む性格なので、例のようなネガティブなことが起こったからこそ体験したポジティブなことというのはなかなか笑いをそそるものでもあります。逆に不幸な体験がなかった日には、こういう面白いポジティブダイアリーが書けず残念だなと思うことすらあります。

というわけで、最高についてなかったと思う日こそポジティブダイアリーを書くチャンスなので、みなさんもぜひ少し視点を変える脳の筋トレを実践してみてください。

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