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第二外国語を効率よく学習する方法

    外国語を効率的に勉強する方法

    日本の大学に通っていた頃、必修科目だった第二外国語のフランス語が非常に苦手でした。そもそも語学と言うものがあまり好きではなかったので、時間を割いて勉強するような意欲はあまりありませんでしたし、体系立てて組まれていない大学の第二外国語の教授法にもあまり共感できませんでした。

    1年目からいきなり博物学の論文やらモーパッサンの作品やらをフランス語で読まされたのは苦痛でしかありませんでした。仕方ないので大学ではイタリア語で中級まで取ったのですが、必修ということでフランス語も結局やらざるをえず、単位は取ったものの仏語恐怖症はしばらく続きました(苦笑)

    英語をマスターした今思うのは、語学学習はレベルに合わせて順序立てた学習が必要だと言うことです。今もフランス語はできると言うほどできるわけではないのですが、メールのやりとりや旅行会話ができるくらいにはなりました。この記事では、実際に会話で使える第二外国語のレベルを上げて初級を突破する方法について考察していきます。

    外国語を効率よく学習する方法

    私は語学習得のためには2つの原理が必要だと強く信じています。2つの原理とは、

    • 誰かとどうしても話してみたい、繋がりたいという熱望(Passion)
    • がむしゃらにコミュニケーションをとって通じ合えたときの喜び (Pleasure)

    の2つのです。詳しくは以下のリンクの記事に書いているのでぜひ参照していただきたいのですが、語学と言うのは本来、人と人とをつなぐ楽しいものであるべきで、孤独に机に向かって習得する辛く苦しいものであるべきではないと言うのが私の基本的な考え方です。

    ただ、この2つの原理の特に2つ目「Pleasure」を得るためには、多少なりともその言語の知識が必要になります。何もないところでコミュニケーションを図ると言うのはちょっと無理がありますからね。

    そこでポイントになるのが、いかに早くこの「Pleasure」にたどり着けるだけの知識を得るかと言うことになります。最低限の知識を習得してしまえば、語学はツールになります。そのツールを使って人とコミュニケーションをとる、自分の好きなサイトやビデオを見るといった楽しいことができるようになります。そして「Pleasure」を膨らませる中で、語学はどんどん上達していくというわけです!

    では、「Pleasure」を得るのに十分な最低限の知識をいかに効率的に習得するためにはどうすれば良いのでしょうか?

    単語

    1000語で80%カバー

    英語やフランス語、スペイン語などは、頻出単語1000語で80%、2000語で90%近くカバーすることができると言われています。とりあえず頻出単語を1000語を目標に覚えましょう。

    とはいえ、私は単語帳を眺めて頭に叩き込もうとすると、できる人とできない人が出てくると思います。ちなみに、私はできない人です。もちろん受験英語のために単語帳を日々通学中に眺めていたと言う時代もありました。でもそれが私の現在の英語力につながったとは思いません。

    画像のある単語帳

    紙の本が好きと言うのであれば、単語帳を使うのももちろん良いと思います。ただその時に、写真やイラストなどが入ったものを使うのが良いと思います。なぜかと言うと、五感を使った方が記憶に残りやすく、また日本語と習得しようとしている言語の単語が対応した単語帳を使うと、その言語が日本語の訳語として記憶されてしまうからです。

    ある言語を取得するためには、目の前にあるモノのコンセプトとその単語が対応していなければいけません。例えば、目の間にお花があったとします。「花」というフランス語を覚えるのに「Fleur=花」と記憶すると、お花という実在のコンセプトを理解するのに日本語を介してしまうためスピードが遅くなってしまいます。それに対して、「Fleur=🌸」と記憶するとお花を前にした時にすぐにその概念を単語に結びつけることができます。

    単語習得のためにはアプリを使う

    基本的な単語をマスターするのであれあば、「Duolingo」などのアプリを使うのが良いと思います。アプリ上で画像が使われていることもありますし、また間違えた単語に関するクイズを繰り返し出題してくれるためです。記憶には、繰り返すことが不可欠です。一つの単語を永遠と眺めているよりも、何度か繰り返し出てくると脳に定着しやすくなります。それを自然と行ってくれるアプリは単語の学習にとても適していると言えます。

    残念ながら、私が大学で第二外国語と格闘していた当時、そんな便利なものはありませんでした(笑)。

    文法

    とりあえず現在、過去、未来の3つ

    語学が好きな人以外にとって、一番勉強が苦痛なのは文法ではないでしょうか?私はフランス語の活用を覚えるのが辛くて仕方ありませんでした。現在形だけで6つ、たくさんの時制ごとにまた6つずつ。大学時代はその表をいかに覚えたかをテストされているような感じでした。それに「Pleasure」を見出すなんてことは到底無理でした。

    ロンドンに来てからフランス語のクラスに通った時、未来系は「aller」の活用形で、過去形は「avoir+過去分詞」でとりあえず対応できるということに気づきました。もちろん洗練されたフランス語ではないですが、現在のことなのか、過去に起こったことなのか、未来のことなのかを区別できれば、大まかな趣旨を伝えることはできます。

    全部活用を頭に叩き込もうとするのではなく、とりあえずまずは3つの時制を表現できる最低限の知識を身につけることを目指してみてください。

    文脈で判断できる

    実際、英語にはある現在進行形と現在形の違いが、フランス語にはありません。言語によって繊細に異なるニュアンスの違いの表現を、いきなり初級の学習者が目指す必要はないのです。

    英語の初中級者が多少活用を間違って話すのを聞くこともよくありますが、旅行会話程度では困ったことにはなりません。会話の中ではほとんどの発話が文脈に沿って理解されています。

    活用は文章の中で覚える

    活用表を頭に叩き込もうとして覚えられる人はいいのですが、私はそういう覚え方は苦手です。表を覚えらない人は、たくさんの文章に触れるようにしてみてください。それぞれの主語と時制に対応した様々な活用形の文章に触れるうちに、自然と規則性が見えてくる瞬間があります。また音声を聞いている中でも、ある主語と活用のつながりが自然でだというように聞こえるようになってきます。

    もちろん、たくさんの文に触れなければいけない大変さはありますが、それでも好きなテーマの文章などを楽しみんがら読んだり聞いたりする中で、活用も覚えられれば、活用表を必死に叩き込むよりは楽しく語学を勉強することができるように思います。

    語学の4技能の扱い

    一般的に問われる語学の4技能には、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングがあります。私は日本にいた頃、リーディングとライティングの勉強をペアにし、リスニングとスピーキングの勉強をペアにして学習していました。前者は紙ベース、後者は音声ベースという分類です。

    でも、今は、リーディングとリスニングをペア、ライティングとスピーキングをペアとして勉強しています。前者うインプット、後者はアウトプットという分類です。なぜかこうしたかというと、このペアリングの方が、実際の生活で語学を使う状態に近いからです。

    リーディングとリスニング

    ターゲットとなる言語の音声と書き起こしがあれば、リーディングとリスニングは同時に学習することができます。まずは音声だけを聞き、わからなかったところは書き起こしを見て、それが聞き取れなかっただけなのか、それとも知らない単語だったのかを判断していきます。

    知らない単語があったのであれば、それを覚えればいいですし、聞き取れなかったのであれば、繰り返し音声を聞いて耳を慣らして音声と文字を対応させる作業を行います。音声を聞きながら書き起こしに目を通せば、音声だけを知っていて綴りを知らないという単語についても確認することができます。

    ライティングとスピーキング

    ライティングの際に綴りが書けるかということと、発音ができるかという問題は別として、基本的にやっていることはライティングもスピーキングも同じです。伝えたいメッセージをある言語の言葉で構成して発するという作業です。

    文字を書いたりタイプしたりするスピードに比べると、声に出して発音するスピードの方が速いので、私はスピーキングを基本にし、ライティングの時は伝えたいメッセージを声に出して読み上げながら、それと同じことを書き出すという練習をしています。

    中級の壁

    ここまでのことをやれば、外国語の初級をマスターするのはそれほど難しくないと思います。実際の課題は中級の壁を突破することかもしれません。私自身英語の勉強の際に一番苦労したのは、中級の壁だったように思います。書き起こし原稿を見れば、文章の趣旨は大体わかる。それでいながら、ネイティブのスピードで話される会話をリアルタイムで理解できるかと言われるとなかなかできないという状態です。今はフランス語でその中級の壁に挑んでいる真っ最中です。

    能動的に聞かなければ向上しないリスニング

    英語の中級の壁にぶち当たったとき、私はとにかく英語に触れれば良いと思ってBBCのニュースをBGMのようにかけていました。しかしながら、英語は一向に上達しません。大人になってから英語を勉強するのであれば、ただシャワーのように言語を浴びれば語学が上達するという訳にはいきません。ある程度話されている言葉に集中し、意味をとる努力を能動的に行う必要があるのです。

    レベルにあった教材を使う

    重要なのは自分のレベルにあった教材を見つけることです。全体的に意味の取らない教材を聞き続けたり読み続けたりすることはストレスでしかありません。また一度に覚えられる進出単語も限られているでしょう。ですから、大体わかるけど少しわからないところがあるという教材を使い、その「少しわからない」という部分を埋めることで、成長させていく必要があります。

    ポッドキャストやYouTubeから教材を探す

    自分のレベルにあった教材を見つけるために、ある程度の時間を割いてリサーチをすることは大切だと思います。今はYouTubeやポッドキャストなど、様々なレベルやスタイルの語学教材が無料で手に入ります。教材の選び方については以下の記事にも書いていますので参考にしてみてください。

    私が今使っているフランス語の無料教材は以下のサイトです。ポッドキャストと書き起こしを無料で利用することができます。非常にはっきりとした聞きやすいフランス語で話されているのに加え、それなりのレベルの単語やトピックを扱っているので、内容を楽しみながら語彙や表現を確実に増やすことができます。楽しく聴けて勉強もでき流というのは最高の教材です。

    InnerFrench.com

    初級突破の敷居は低いと思うのでスペイン語も勉強してみたいなと思っているのですが、まずはしっかりとフランス語の中級の壁を突破できるように頑張りたいと思います。一緒に頑張りましょう!